冬こそ愉し 大町温泉郷探訪記

節分を控え、1年で最も寒い時期を迎えておりますが、皆さまはいかがお過ごしでしょうか?
この度は、わたくし、佐々成政公の側室早百合がご案内役を務めさせていただきます。
こちら信濃大町は、冬らしい雪景色。晴れた日には北アルプスの峰々の白さが一層際立って、絵もいわれぬ美しさでございます。
01_大町温泉郷

さて、冬といえば、温泉で温まりたくなるのが日本人の性でございますね。信濃大町にも、温泉がたくさん湧いてございます。
今回ご紹介するのは、立山黒部アルペンルートの玄関口にございます大町温泉郷。大町温泉郷は、高瀬渓谷の秘湯・葛温泉(くずおんせん)のお湯を源泉として引湯し、昭和39年に新たに開かれた湯処でございます。
泉質は、弱アルカリ性低張性高温泉。泉温は66度と高温ですので一部加水しておりますが、身体中がぽかぽかと温まり、冷え性や疲労回復には効果てき面と存じます。

大町温泉郷には、現在10軒の湯宿と、1軒の立ち寄り湯がございます。温かいお湯に浸かりながら、お猪口片手に雪見酒…なんて乙ですね。早百合の憧れにございます。
スキーやスノーボードをなさる方は鹿島槍スキー場も近くにございますので、ぜひお宿に泊まってゆっくり楽しまれてはいかがでしょうか。
02_大町温泉郷夢花火と音の祭典

そして、2月に大町温泉郷にお越しになるなら、毎週土曜日がお薦めでございます。
今年で第17回目となる「夢花火と音の祭典」。
地元の楽人による太鼓の演奏や冬の夜空に打ち上げられる花火など、まさに、夢のような夜のひと時をお過ごしいただけるイベントでございます。
お時間や場所など詳しくはこちらをご覧くださいませ。
http://www.omachionsen.jp/event/index.php
03_佐々成政公ゆかりのお堂

最後に、ここまで読み進めていただいた方に、ご紹介したい場所がございます。
それは、大町温泉郷の南の外れ、「大出」にある西正院大姥堂(せいしょういんおおうばどう)という小さなお寺です。
こちらの御本尊として奉られている大姥尊像こそ、我が殿、佐々成政公と深い縁がある像でございます。
殿は、「立山さらさら越え」に向かう前、立山山麓・芦峅寺(あしくらじ)の大姥堂に詣でました。
そして、道中の安全御加護のため、大姥尊像を一体譲り受けて背負い、豪雪厳寒の立山さらさら越えを踏破したのでございます。
辛苦の末、この大出の地に辿り着いた殿の御一行は村人の手厚いもてなしを受けて鋭気を養うとともに、大姥尊像を寄進しました。
村人は後に、お堂を建てて大姥尊像をこの地に祀りました。以来、秘仏として今日まで大事に守り供養を続けておられるとのことでございます。

大姥様は七年に1度、ご開帳の際にしかお目にかかることは出来ませぬ。
次の御開帳は2022年。御開帳の際にはぜひわたくしも馳せ参じたいと、今から心待ちにしてございます。